ネットフリックスで『キス・ザ・グラウンド』を観て、不耕起栽培について考える。

『WIRED』2021 VOL.40 「FOOD :re-generative 地球のためのガストロノミー」を読んでいて気になった、ドキュメンタリーの『キス・ザ・グラウンド:大地が救う地球の未来』をNetflixで観てみました。
「科学者、セレブ環境活動家、農業従事者、政治家たちが今こそ団結する。大地と土壌こそが気候変動と闘い、地球を救う鍵となることをひも解くドキュメンタリー」
とのこと。
 
興味を持ったのは、個人的に実家の畑で不耕起栽培をやっているので、「耕さない農業」のスタイルが土壌や大気、水などの地球環境とどのような関係があるのか?気になったからです。
 
何度も繰り返し説明されていたのは、「耕す」ことで、土中にとどめられていた二酸化炭素が空気中に放出されるということ。
「耕さない」ことで土中に二酸化炭素をとどめておくことができるんですね〜。
「耕す」季節になると、大規模な農業が行われている地域から排出される二酸化炭素の量が急激に増え、その季節が過ぎると、その量が落ち着いていくとのこと。
 
二酸化炭素の排出といえば、「化石燃料」の使用によるものが大部分だと思いこんでいたのでビックリしました。
 
土壌を「耕す」と、土がやわらかくなり、作物は育てやすくなりますが、表面が乾燥しやすく、風で飛ばされたり、劣化が進んだりもするそう。
 
実際に不耕起栽培をしている自分としては、「知らぬ間に地球環境に良いことをしてたんだぁ?サステナブルってやつだなぁ」と素朴に思いました。
実のところ、「地球環境に良いから」不耕起栽培をやっているわけでは全然なくて、個人的には
「楽だから」
「あまり手間をかける時間がないから」
やっている感じです。
 
週末に、実家まで温暖化ガスを排出しながら車で行って、数時間、畑仕事をする。
以前は有機栽培スタイルで、畑に鶏糞などを撒いて、小さな耕運機で温暖化ガスを排出しながら耕して、畝を立てて、場合によってはビニールマルチを張って野菜を育てていました。
が、週末毎の畑仕事では、雑草の処理が、特に夏場に追いつかなくなります。
野菜はボーボーになった夏草に埋もれてしまい、手に負えない状態に。
 
「耕す」ことで、種を蒔いたり、苗を植えたりする初期段階の作業はやりやすくなりますが、土壌表面が「キレイ」になって雑草も生えやすくなる。
 
ふと、畑の中で一部分、耕さず前年からの雑草(一年草)をそのまま放置していた部分を見ると、それほど夏草が生えていない。
「これは良さそう!!」
と思い、以後、耕すのをやめました。
 
すると、
「すっごく楽〜!!」
一年草が枯れて倒れたものが、そのままマルチになり、夏草を抑制するようです。
しかも、耕運や施肥、畝立て、マルチ張りの手間がなくなり、お金もかからない。
 
収量は確かに減りますが、自分の家で消費するには十分過ぎるくらい。
 
不耕起栽培もやり方は色々あって、畑には、種や苗以外は何も入れないやり方もあります。
自分の場合は、実家の庭部分に生えた雑草をマルチとして、畑に敷き込むようにしています。
 
不耕起栽培にしたことで、畑仕事の時間が節約できて、その分、庭の草取りができる。
その草を畑に敷いて、雑草を抑制しつつ、そのまま肥料にもなる。
「すごく効率的!まさに一石二鳥!!」
 
それが、地球環境にも良いとしたら、
「一石三鳥かっ!!」
という気分になります。
 
『キス・ザ・グラウンド』を観たことで、環境に対する土壌の意外な役割がわかりました。
不耕起栽培が益々楽しくなりそうです!