6月16日の日経新聞に
「取締役に女性を」海外投資家迫る
という記事が載っていました。
海外の機関投資家が、企業に対して、取締役に女性を起用するよう求めているそうです。
同記事によると、主要な日本企業で、取締役に女性を起用しているのは、「6割」(欧米では9割以上!)とのこと。
女性の取締役が1人もいない場合には、社長や取締役選任の議案に反対する動きも出ていて、企業に対するプレッシャーは強まっています。
個人投資家としても、長期的に安定した成長を続ける企業に投資したいものですが、労働人口減少や、新型コロナ流行後の労働や消費の変化が大きなリスクになりつつある国内企業において、「女性活躍」は注目すべきポイントだと思います。
とはいえ、現在、新型コロナの影響で、世界的に経済は大きなダメージを負っている状態。
「女性活躍」に対する企業の取り組みがどうなっていくのか?気になるところです。
この点に関して、6月8日の日経新聞電子版に、魚谷雅彦 資生堂CEOのインタビューが載っていました。
新型コロナ流行下で女性活躍推進はどうなるか?という内容です。
魚谷氏は、新型コロナのダメージからの回復のカギは「経営の柔軟性」にあると言っています。
その実現には、「ダイバーシティ」が不可欠で、女性の力が必要とのこと。
「女性の力」として具体的には、ドイツのメルケル首相などを例に、
・状況変化に対する「しなやかさ」
・生活感度の高さ
・情報発信力の高さ
をあげています。
そして、こんな状況だからこそ経営を立て直すために女性活躍を進めるべき、としています。
「女性活躍」に後ろ向きな企業は、経営の硬直化というリスクと共に、最初にあげた、投資家からのプレッシャーの高まり、更には「ダイベストメント」などの投資家離れのリスクがありそうです。
個人投資家としては、お金が逃げていく企業より、お金が集まりやすい企業に投資したいですね。
「女性活躍」に積極的な企業をどう見つけるか?
投資対象として、考えている企業の役員の女性割合を確認してみたり、IR情報をチェックして、「女性活躍」の取り組み状況をチェックしてみるのもいいでしょう。
多くの企業の状況をチェックするのはなかなか大変ですが、「女性活躍」状況を数値化している「MSCI日本株女性活躍指数」などの組み入れ銘柄が参考になると思います。
「MSCI日本株女性活躍指数」はMSCIが性別多様性に優れた企業を選別して構築した指数で、GPIFも採用しています。
HPで、対象企業(時価総額上位700銘柄の中の一部)の「性別多様性スコア」を見ることができます。
個別株投資をする場合は、このスコアと、個々の企業のIR情報などをチェックしてみるといいんじゃないでしょうか。
「MSCI日本株女性活躍指数」に連動するETFもあるので、幅広く分散投資したい場合は便利かもしれません。
・「NEXT FUNDS MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)連動型上場投信」
どちらも、2020年6月19日現在、信託報酬は0.165%とのこと。